●GPLの意図する事 1999/5/31
リチャード・ストールマン氏がオープンソースグループと一線を画く理由の一つに再配布に関することだそうです。
GNUのGPLは明確に再配布の自由をあげているのですがオープンソースは再配布に関してはあいまいなところが多いようです。
最近Linuxの商用ディストリビューションが増え、そのディストリビューションの再配布を禁じているものも見られます。
GPLは再配布の自由を保証しており(それが有料であっても構わない)、だから誰でもLinuxのディストリビューションを販売できます(LinuxカーネルもGPLに準じている)。
ところが商用ディストリビューションがそのディストリビューションの再配布を禁じると結果的にGNUのツールやLInuxカーネルまで再配布が制限されてしまうわけです。
このことはフリーソフトを集めたフリーソフト集にもいえることで、再配布が自由なものを集めて作ったものを再配布禁止とするというなんとも理不尽な問題を生み出しています。
ストールマン氏は1983年にGPLを作成したときからこういう状況を考慮していてGPLにはそのことを記してあります。
しかしオープンソースグループはソースを公開を主眼においているのか?
再配布の問題についてははっきりしてないようです。
フリーソフト集だと個々のフリーソフトを取り出してそれを再配布すればよいのでそれほどやっかいでもないのですが、 Linuxディストリビューションの場合は独自のインストーラーや商用アプリケーションを含めて構成するように作られているので個々のソフトをとりだして再配布するというのはなかなか困難な部分が大きいです。
再配布の問題はきわめて重要な問題でこれを疎かにするとせっかくの再配布自由が意味のないことになってしまうかもしれません。
GPLの意図する事をもっときちんと認識すべきではないでしょうか?
●知らないうちに国際電話? 1999/3/31
99年3月30日に放映されたNHKのクローズアップ現代「思わぬ高額請求書・急増する国際電話料金トラブル」を見ました。
この番組でパソコンに海外へのダイアルアップ接続の設定を追加するvivianというソフトの話題があり、知らないうちに海外へ電話してまうという事例を紹介していました。

番組では「気づかないうちにダイアルアップの接続を変更され高額の料金を請求される、パソコン初心者ではそれを全く見抜けない」的なコメントがあったんですが、全く見抜けないということはありません。
ダイアルアップ接続の際にはダイアログが表示されダイアルアップ接続先の名前が表示されますからそれを確認すれば接続先が確認できます。
「初心者には無理」というのは非常にオーバーで初心者でも「それを確認すればわかる」とう説明をすればすぐに実行可能なわけです。
また設定をかえるソフトも「いつのまにかパソコンに送られてきた」的な表現をしていましたが、これもダウンロード前に表示される確認ダイアログを見ればわかることでこのあたりの説明をすれば防ぐ方法はあるわけです。
(ダウンロードの説明も必要ですが(^^;)

防ぐ方法があるのにそれを教えずただただ「知らないうちに」とか「気づかないうちに」とかいかにもな表現を使い、結局対処方法は教えないというのは、なんとな〜〜〜くうさんくさいものを感じます。
例えばもっと安心してインターネットができるように規制を強化しようとか(^^;。(まぁ天下の?NHKがそんなことを考えてることはないでしょうが(^^;)。
うさんくさい人物が情報を流す「不謹慎ゲーム」の事例なんかももあるし・・・
番組中のウィルス以上にマスコミ報道の方が恐いなぁと感じる今日このごろでした。
●Tronに思う 1999/3/25
Tron(トロン)とは1984年に坂村健が発案し発足したプロジェクトで(坂村健はGNU的なものを目指したそうな)近未来型のトロン仕様を作成してそれを広めようというものです。(よく国産コンピューターとかの代名詞でマスコミにも度々紹介されています。)
Tronプロジェクトはあくまで仕様を定義するだけで実際のもの作りはしません。このへんGNUのストールマン氏やLinuxのトルバルドス氏、WWWのリー氏とかと決定的に違うところです。
彼らは仕様を決めてその決めた仕様をもとに自分自身がそれらを作った(あるいは作っている)わけで、だからこそこれほどの広がりを見せている。
(既にあるモノを改編したり移植したりするのはそれほど困難ではない)仕様を実現したものを作るというのは仕様を作る以上に難しいです。
また未来型といえば聞こえはいいですが実際に自分自身が作らずに理想だけをとなえるというのは意外と簡単です。
例えば
リアルタイムホログラムWeb
リアルタイムでホログラム映像を配信し表示するWebシステム
なぁ〜んてのも実現性を考慮しなければ提案できたりします。
まぁTronの場合、第三者が既にTron仕様のハードやOSを実現していますので単なる仕様のみではありませんが、仕様だけを唱えるというのはえてして理想主義に陥りやすいものです。
(さすがに秋本康のような輩が「ちょ〜速いおにゃんコンピューター仕様」を企画しても誰も相手にしないでしょうけど(^^;)
結局Tronが今一つブレイクしない理由は「坂村健自身が作らない(作れない?)」というところにあるんでしょうかね?(^^;
●特許にもGPLを認めよう! 1999/3/8
最近Microsoftが「出版システム向けのスタイルシート」に関する特許をとってまたまた物議をかもしています。
一部ではMicrosoftのオープンソースムーブメントつぶしの一環とのうわさもあります。
GPL(General Public Licenc)すなわち「一般公有使用許諾書」とはFSFの主宰者、リチャード・M・ストールマン氏が10年以上も前に提唱したフリーソフトのライセンスで、 フリー・ソフトウェアを共有したり変更する自由をユーザに保証するためのもの、即ちフリー・ソフトウェアがそのユーザ全てにとってフリーであることを保証するためのものです。
フリーソフトは本来自由なものでライセンス・フリーなのですが、逆にライセンス・フリーであるがため誰かにそのライセンスを取得されるという危険がある。(上記のMicrosoftのように(^^;)
そこでフリーということを明示したライセンスが必要だということになるわけです。そうすれば誰かに(上記のMicrosoftのような輩に(^^;)ライセンスを取得される危険がなくなります。
ここで問題になるのが著作権と特許の違いです。著作権は発表した時点で認められるのですが、特許の場合、特許を管理する政府機関に申請し、審査に通った時に有効になります。
しかし、特許を申請する時には申請料がかかりなおかつ認定された後も特許登録料を特許が切れるまで政府機関に払い続けなければなりません。
そういうわけでフリーなものを守るために特許を取るというのは金銭的にかなり負担がかかります。
この際技術を公開し、使用制限のつけないものは申請、審査なく自由・公開を保証するために特許を認める(当然無料で)ようにしちゃうとかしてほしいものです。
営利企業の利益を守る法案はすぐ通るんだけどなぁ。(^^;(見返りが期待できない事柄にはねぇ・・・)
●ああ、たまごっち 1999/3/1
ティラミス、ナタデココなど特に若い女の子に人気が出た商品はおのずと短命で、たまごっちも例外ではありません。
一大ブームを巻き起こし、バンダイの救世主として君臨したたまごっちですが今では不良在庫の山となりバンダイのお荷物と化しています。
バンダイにとってこのたまごっち、一体どういう存在だったのでしょう?
ブームを起こし赤字から一転莫大な利益をあたえ、まさに「天使」のたまごっちであったことは間違いないのですが、よくよく考えるとこのたまごっち、バンダイの社長の首を二人もすっ飛ばしています。
最初は決定したセガとの合併がたまごっちブームで解消となり市場を混乱させた責をとって当時の社長が辞任しました。
そしてブームが終わりたまごっちが不良在庫となってまたまた赤字に転落、その責任で2人目の社長辞任となりました。
「あの時セガと合併しておけば」と悔やんでも後の祭り、「覆水盆にかえらず」です。「天使」から「悪魔」へ変身したたまごっち、やっぱりバンダイの育てかたが悪かったんでしょうかね(^^;