●コンピューターの作り方 解説編 08/21/2000
「コンピューターの作り方」を読んで「なんこっちゃわからん」という人のために解説をしましょう。
計算機ってのはスイッチを並べた論理回路というもので構成されている。論理回路というのは論理演算をする回路である。
AND演算をするのがAND回路でこれはスイッチを直列に2個並べた回路である。
これを理解してれば「なんだ計算機なんてスイッチ並べてるだけの機械じゃない」ってことが理解できる。(わからなければ理解できない)

スイッチ3個並べて、「ハイ計算機の出来上がり」ってのは「スイッチ並べりゃ計算機が作れる」ってことです。
ここで重要なのはスイッチの並べ方であって、スイッチを何で動かすかということではない。
手動スイッチであろうがトランジスタを使った電気的スイッチであろうが、極端に言えば洗濯バサミでもいい。
ホースを蛇口につないで水を流す。ホースの途中を洗濯バサミで挟んだりはずしたりすればで水が流れたり流れなくなったりするのでこれも立派なスイッチになる。
洗濯バサミを2個直列に並べればAND回路になる。というこはホースと洗濯バサミで計算機が作れる。

理屈さえがわかっていれば計算機なんてこんなものだよ、ということをコラムでいってるわけです。
現実的なトランジスタで構成する論理回路図を見て「スイッチを並べてる回路」という見方をすれば電池と銅線とスチッチで作った回路と意味が同じなんだということが理解できる。
わかる人が読むと物凄く笑える話なんですけどね。
●コンピューターの作り方 08/04/2000
簡単なコンピューターを作ってみましょう。
用意するものは乾電池一個、豆電球1個、銅線、スイッチ3個。それを図のように配線します。

そして豆電球に「2」という文字を書き、スイッチの左から順番に「1」、「+」、「1」と書きましょう。
これで「1+1=2」の計算が可能な計算機ができました。
なんだそりゃ?と思うかもしれません。しかしコンピューターの基本動作原理はこういうことです。「1」のスイッチと「+」のスイッチと「1」のスイッチを押すと 「2」のランプが光り「1+1」の答えを示す。つまり「1+1=2」の計算をしたことになるわけです。
では、上の計算機を少しだけバージョンアップしましょう。

このバージョンでは「1」に足す数を「1」と「2」のいずれかから選ぶことができます。
「2」にスイッチを入れると「3」と書いたランプが光り、「1」にスイッチを入れると「2」のランプが光ります。
つまり「1+2=3」と「1+1=2」の計算が可能になったわけです。このバージョンを見ればこれがコンピューターの動作原理だというのがよくわかるでしょう。
もっとスイッチの数を増やし回路を複雑にすれば当然引き算や掛け算もできるし、大きな数もあつかえるようになります。
実際のコンピューターの場合、手動スイッチの代わりに、電気的スイッチ(電気を流す流さないでスイッチのON・OFFを切り替えるスイッチ)を使用しています。その電気的スイッチに使われているのがトランジスタです。
ではスイッチを切り替えているのは誰なのか?これをやっているのがプログラムです。
よくコンピューターは1と0の世界なぁ〜んて言われてますが(意味がわかって使ってるのかは疑問(^^;)1と0で何を表しているのかというと電気の流れの有る無しを表しています。
その電気の有る無しでスイッチのON・OFFを制御できる。つまり1と0の組み合わせはスイッチのパターンを示してるわけです。
つまりコンピューターとはスイッチの組み合わせを入力し出力のパターンを変えていく機械であるということです。まぁわかってしまえば基本原理自体は実に簡単ですね。
あとは応用次第です。
理屈さえわかっていれば乾電池とスイッチと豆電球だけでもりっぱにIT(情報技術)が構築できるんですよ。(^^)
●セラフィムコールと有界無限 11/25/1999
アニメのセラフムコール第7話 柊彩乃を見ました。この中で作図不可問題が出てきました。
コンパスと定規のみを用いて右の円と同じ面積を持つ正方形を描け

(上記の円と正方形の作図の問題は定規とコンパスってところがミソ)
アニメでは超越数と無理数とを混同してπ(円周率)が3.1415・・・・と少数部が無限に続く数(これを無理数という)なので作図不可ってことだったんですが、 実はこの問題はπが無理数だから作図できないということではないんですね。
無理数であっても作図は可能で、例えば√2は無理数ですが(1.414・・・と続く)作図は可能です。長さが1の辺を2辺に持つ直角2等辺三角形の斜辺の長さはピタゴラスの定理で√2になりますからすぐに作図できます。
円周率πも巻尺を使えば特定できます。(巻尺なら円周が計れ、円周は2πrだから半径rを1にすれば円周が2XπX1すなわち2πになるので円周を2等分すればよい。)
数学の世界では有界無限という考え方があって、「直線上に2点AとBをとった場合その中点(AとBの間の中間点)が必ず存在する」つまり直線上には無限に点が存在するということになっています。
しかし普通に線を引いた場合、当然始点と終点がありますから線自体は無限に伸びているわけではありません。ということで有界(有限の境界)の中に無限が存在するという「有界無限」という考え方をするわけです。
無理数も少数としてあらわそうとすると無限に少数が続くということであって、値そのものが定まらないということではなかったりします。
ちなみに超越数とは代数計算で値が特定できない数(a+b・x+c・xの2乗+d・xの3乗・・・=0の解とはならない実数)のことで無理数=超越数ではない。(√2は無理数だが代数計算が可能)
まぁ、理屈はさて置き柊彩乃はなかなか良いキャラでした。萌え〜(^^)
●ゲーム理論 その2 11/14/1999
ゲーム理論の対象になっているものに3人以上のプレイヤーでゲームを行うn人ゲームがあります。
n人ゲームの場合重要な要素として「結託」と「分配」があってそれによってゲームの解が考察されていきます。
「結託」とはプレイヤーが単独で得られる利益以上のものを得るために他のプレイヤーと組むことで形成される集合のことです。
(利益とは単に金銭だけではなく、例えばわがままな性格の人間が通せるわがままの程度とか自己満足の程度とかも含めたもの)
「分配」は各プレイヤーに対する利益の配分です。

例題:小林よしのりのジレンマ
ここで、小林よしのりが参加する「結託」をAとします。
漫画家・小林よしのりはこれまでいろいろな運動に参加してきたが、最終的に参加した運動の集団と対立してしまう。
そうなる理由はゴーマニスト・小林よしのりは自分のことをカリスマだと考えている。カリスマであるから分配において得られる利益(単に金銭ではなく、「結託」内でのポジションや発言力なども含む)が他のどのプレイヤーよりも多くないと納得しない。
しかし、Aの「結託」に参加する他のプレイヤーもそれぞれ単独もしくはA以外の「結託」(Aの結託と部分的に重複するものも含む)に参加するより得られる利益が多くないとこのAの「結託」に参加する意味がない。
そのため小林よしのりの分配がプレイヤー中最大となるとは限らず、小林よしのりと他のプレイヤーとの対立が発生し、小林よしのりが自分の分配を増やそうとAより参加人数の少ない新たにBという「結託」を作る。
参加人数が少なくなれば「結託」に参加するプレイヤーの分配が増えるので小林よしのりの利益も増えると考えられる。
しかし本質的なn人ゲームでは一般的に「結託」は参加者が多くなれば「結託」として獲得できる利益も多くなるため、「結託」Bの参加人数<「結託」Aの参加人数なら「結託」Bの利益<「結託」Aの利益となる。
つまりBの結託で得られる利益が減ればBの参加者の得られる分配の総量が減ってしまうわけです。
カリスマとして利益の分配がプレイヤーの中で最大にならないと納得しない小林よしのりはここでジレンマに陥る。ということになります。
(この例では便宜上小林よしのりを使いましたが、立川談志でも石原慎太郎としてもかまいません。(^^;)

n人ゲームは経済学や政治などを考察する時にも応用されているようで、なかなか面白い分野の研究です。
ゲーム理論、奥が深いですね。